【編集者はこんなところ見てます】書き手に伝えたい5つのポイント
はじめまして。スパイダーマンがアベンジャーズに復帰するというニュースに安堵しているアナミです。
これまで何百本と専門家さんの原稿を見てきたなかで編集チームである程度の編集方針は決まっているものの、編集者によっては注目しているポイントが異なることも少なくありませんでした。そこで、それぞれの編集者が記事を編集するうえでどのような観点で原稿を確認しているのかを共有し、取り入れて活かしていこうという趣旨で編集共有会を行いました。
ここでは、編集共有会で出たポイントのなかから、専門家さん(書き手)にも共有したいことを5つピックアップして簡単に紹介します。本当はまだまだ共有したいポイントがあるのですが、今後noteで少しずつ紹介していきたいと思います。
1.主語と述語の関係
主語と述語がかみ合っていない文章になっていることがしばしばあります。
以下は、主語と述語がかみ合っていない例です。
誤:好きなことを仕事にすることは、私の理想であり、長年目指しています。
正:好きなことを仕事にすることは、私の理想であり、長年の目標です。
私は、好きなことを仕事にすることを理想としていて、長年目指しています。
主語は「好きなことを仕事にすること」なので、この主語自体が「目指している」わけではありません。「好きなことを仕事にすることは、(私の)目標です」と述語を変えるか、「私は、目指している」と主語を変えるかが必要です。まずは主語と述語だけを取り出しても意味が伝わるようにしてみてください。1文中の情報が多くなると起きがちな問題でもあるので、情報を詰め込みすぎないように気をつけましょう。
2.表現の重複
ほぼ同じ意味・表現の言葉を1文のなかで、2回以上繰り返している文章があります。以下が、表現の重複例です。
誤:必ず覚えておいて欲しいことは、諦めないことで、これは必須です。
正:必ず覚えておいて欲しいことは、諦めないことです。
(必ず覚えおいて欲しい≒必須)
表現の重複は、会話では気にならなくても文章にするとくどくなりますので、注意するようにしましょう。
3.助詞と動詞の整合性
先の「主語と述語の関係」と近しい問題ですが、助詞と動詞がかみ合っていないことが多いです。例えば次のような文。
誤:国が納税する
正:(国民が)国に納税する、国が(国民に)課税する
上記程度の短い文であれば誤りにすぐ気づくと思いますが、文が長くなると見落とされがちな助詞と動詞の整合性。確認するときは「主語と述語の関係」と同じく、抜き出してみるといいでしょう。
4.主語の省略・指示語の多用
記事のメインキーワードであったりすると、省略しがちな主語。
「それにより」「このように」「これは」など、便利なためについ多用してしまう指示語。
主語の省略や指示語の使用で文章のリズムが良くなったりしますが、いずれも文章中で頻発すると読者は「省略された主語は何なのか」「指示語が何を指しているのか」を読み返して確認したり、思い出したりしなければならず負担がかかります。少しくどく感じても主語の省略や、指示語の多用は文の流れを見て“ほどほど”にするのがいいでしょう。
5.記事中の尊敬語、謙譲語
会話内容の記述の場合は別ですが、記事中では尊敬語や謙譲語は使用しないのが一般的。記事を読んでいるのは読者なので、読者以外の人に尊敬語や謙譲語を使用するのはふさわしくない場合が多いです。丁寧語のみのシンプルな文章のほうが読みやすくなります。
書き終えたら推敲しよう
ここまでで挙げた5つのポイントは基礎的な内容ですが、さまざまな専門家さんが作成した原稿を読んでいて本当によく目撃します。何千字も文章を書いていると、誤りに気づかず書き進めてしまっていることは少なくないのでしょう。
より読みやすい文章にするためには、書き終えた後に自分で原稿を“推敲”するかどうかが重要です。書くことに集中しているときには見落としてしまうポイントも、“伝わる文章になっているか”と集中して読み直し、修正することで原稿のクオリティはとても変わります。原稿を書き終えたら少し時間をおいて、上記のポイントを意識して“推敲”してみてください。
(執筆/アナミ 編集/専門家@メディア)
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