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分かりづらい文章は論理的記述が欠けている

こんにちは。弊社もリモートワークが始まり、家にこもる生活を送っているアナミです。こんな状況になったからこそ、一歩も家を出ずに好きなだけエンターテインメントを享受できる動画配信サービスの有難さを改めて感じています(最近はアニメ鑑賞にハマり中)。

さて、今回は文章を書く際に気をつけたい「論理的記述」について書いていきます。

私が編集者になってはじめのころ、さまざまな人の原稿を見ていくなかで「分かりやすい文章」と「分かりづらい文章」があることを感じつつも、その原因が何なのかをうまく言語化できずにいました。

そんなとき、フリーライターの古賀史健さんの著書『20歳の自分に受けさせたい文章講義』を読み、分かりにくさの原因に気づくことができました(「分かりやすいかどうか」は他にも原因があるので、厳密にいえば「原因のひとつ」)。

それは「論理構造があるかどうか」です。

自らの主張がたしかな理由によって裏打ちされたとき、その文章は「論理的」だと言えるのだ
引用:『20歳の自分に受けさせたい文章講義(星海社新書)』古賀史健著

※『20歳の自分に受けさせたい文章講義』を参考にしつつ、私の解釈も交えて書いていきます

記事を書けば筆者の発信したいことは読者に伝わるのか?

どんな記事でも重要なのが、筆者の「主張」です。主張とは、言い換えれば、記事という方法を用いて筆者が「発信したいこと」。主張により読者に何らかの態度変容を起こしたい、という目的がどんな記事にもあります。

しかし、ただ主張したいことだけを書いていては、読者の態度変容は起きないでしょう。なぜなら、筆者の一方的な主張を読んだところで、読者としては初めて会った人から、支離滅裂な説得を受けているようなものだからです。

読者に態度変容を起こすには、筆者の主張を納得させ(共感させ)、読者から歩み寄ってもらう必要があります。

説得と納得の違い

『20歳の自分に受けさせたい文章講義』では、説得と納得の違いを歴史の教科書と歴史小説を比べて解説しています。

歴史の教科書で、徳川家康についての記述が5ページ掲載されていたとする。その内容は「これを覚えろ」「これを知っておけ」「こっちも忘れるな」と、一方的に知識を押しつけてくるものだ。まさに“説得”のアプローチである。
一方、家康を主人公とした歴史小説は、ことさらなにかを覚えろとは言わない。
読者自らが歩み寄って、事の流れや江戸幕府の政策、同時代を生きた周辺人物などが理解できるようにできている。「物語」という武器を使いながら、読者の“納得”を誘っているわけである。
引用:『20歳の自分に受けさせたい文章講義(星海社新書)』古賀史健著

そもそも読むスタンスは異なりますが、説得と納得の違いを考えるうえで、自分が読者側に立った場合のこの比較は分かりやすいのでしょうか。「物語」は納得させるためのひとつの武器ですが、コラムや解説記事の文章でも使える武器があります。それが「主張・理由・事実」です。

読者の納得に必要な「主張・理由・事実」の3層構造

お伝えしてきたように、読者の興味をそそり、態度変容に導くには、書くうえで納得させるための武器を使う必要があります。

その武器のひとつが「主張・理由・事実」です。
主張は先の通り。
理由は、主張を述べるきっかけ・理由。
事実は、理由を強固なものにする客観的事実・出来事。

この3層構造は高等なテクニックではありません。
そもそも主張が生まれるのは、世間や身辺で起きた出来事に対して(事実)、あれやこれや考え(理由)、自分なりの結論がでる(主張)というプロセスが多いです。つまり、「主張・理由・事実」はもとからセットとも言えます。

しかし、書く工程では「主張・理由・事実」のいずれかが抜け落ちていることがしばしばあります。個人的には、これまで編集した原稿のなかで「理由」や「事実」が抜けていることが多いです。いずれかが抜け落ちる理由は、書くという行為が個人で完結しがちであるからだと思います。

例えば、友人が「自転車保険は入るべきだ」という主張をしたら、「なぜ?」と質問しますよね。そこで「自転車事故による金銭的リスクが高いから」と言われれば、最初よりは主張自体が納得しやすくなるでしょう。さらに、「本当に?」「どうしてそう言えるの?」と問うた際に「小学生が自転車で高齢者に加害してしまって、小学生の親に9,500万円の損害賠償が命じられたケースがあるんだよ」と返答があれば、より友人の主張に納得しやすいですよね。
(ちなみに、東京都は2020年4月から自転車保険の加入を条例で義務化したようです)

対面する会話であれば受け取る側が即座に質問できるのに対して、対面しない文章では受け取る側(読者)が質問できません。だからこそ、文章においては読者が感じるであろう根本的疑問を書き手が想定し、あらかじめ答えておく必要があるのです。

つまり「主張・理由・事実」を踏まえた論理的記述ができている文章であれば、一方通行で情報を受け取る読者にとって、読み進めるに連れて疑問が解消され納得感が増していく「分かりやすい」文章になります。

先ほどの例では、

主張…自転車保険は入るべきだ
理由…自転車事故による金銭的リスクが高いから
事実…小学生が自転車で老婆に加害してしまい、小学生の親に9,500万円の損害賠償が命じられたケースがある


と、それぞれの役割を一文ずつ担っていましたが、段落単位でも役割をもたせてもよく、順番も主張→理由→事実でなくても構いません。事実→主張→理由でもよいのです。

終わりに

「主張・理由・事実」のいずれか、あるいは複数が欠けていると、読み進めていっても判然とせず、抽象的に「分かりづらい」と感じてしまいます。構成を作る際、推敲をする際、「主張・理由・事実」が配置できているかを読者側の視点に立って、確認するのがべターですね。

参考:『20歳の自分に受けさせたい文章講義(星海社新書)』古賀史健著

(文/アナミ 編集/専門家@メディア)

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コメント (2)
大変興味深く拝見しました❣️
ふかせあつこさん ありがとうございます!
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